所有者不明土地を減らし、活用を促すための施策として、法務省は遺産分割を話し合いで決める期間を、相続開始から10年に限ることを検討するという記事が、日経新聞で報じられました。2020年の民法改正を目指しているそうです。
検討案どおりの改正がなされると、遺産分割協議による相続は、次のように変わります。
合意や、家庭裁判所への調停申し立てがなされないまま被相続人の死後10年が経過すると、法定相続分どおりに権利が確定します。共有持分の過半数が集まれば、不動産取引の窓口となる「管理権者」を置き、共有者全員の合意がなくても、貸したりたり売ったりすることができるようになります。
居場所が分からない、または特定できない相続人がいる場合には、その相続人の相続分を他の相続人が取得できるようになります。その際は、取得する共有持分に相当する代償金を、法務局に預けます。
民法が改正されても、遺言書がある場合は、遺言の内容が優先されることに変わりはありません。ご自身亡き後、相続人全員で円満に協議がなされるかどうか、ご不安に思われる方は、遺言書を作成しておかれることをお勧めします。法律で自動的に決定するのは、あくまでも最終手段です。