重大な判例変更や社会情勢の変化に対応するために、相続法(民法の一部)が変更されます。「法律」と聞いただけで、「難しい」と思われがちですが、相続は誰にでも発生する身近な出来事です。自身が相続人になる場合は、自分の権利を守るため、自身が被相続人になる場合は、大切な人が困らないようにするために、法律の知識が、きっと役に立つはずです。
押さえておくべき改正ポイントは、次のとおりです。
1 配偶者の保護
・自宅に終身住み続けられるように、配偶者居住権を新設
・婚姻20年以上の夫婦間で贈与された自宅を、遺産分割の計算から除外
2 預貯金の仮払い
・遺産分割協議中でも払戻しを受けられる仮払い制度を新設
3 自筆証書遺言
・自筆でない財産目録を添付することも可能
・法務局での保管制度を新設
4 相続の効力
・法定相続分を超える財産(不動産)の取得には登記が必要
5 相続人以外の者の貢献に対する特別の寄与
・被相続人の介護等に尽力した相続人でない親族(相続人の妻など)からの金銭請求が可能に
法務省のホームページにも、改正の内容に関する解説が掲載されています。イラストや具体例を取り入れて、分かりやすく工夫されていますので、ぜひご覧になってみてください。法務局で保管されていた自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続が不要になるなど、お役立ち情報が得られますよ。