任意後見制度をご存知ですか?

先週、異業種の方々の集まりで、成年後見についてのお話をさせていただきました。制度の概要や法定後見、任意後見それぞれの手続についての説明が主な内容でしたが、なかでも、任意後見契約に対する関心が、非常に高かったように思われます。

先日の日経新聞にも、任意後見の契約件数が、年間1万件を超えたという記事が掲載されていました。

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々を保護し、支援する制度です。

すでに、ご本人の判断能力が衰えている場合に、家族等が家庭裁判所に申立をする法定後見では、後見人の候補者を立てて申立をしても、最終的に選任するのは裁判所ですので、本人や家族が希望する人が選ばれるとは限りません。

任意後見制度は、ご本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめご自分が選んだ代理人(任意後見人)に、ご自分の生活、療養看護や財産管理等に関する事項について代理権を与える契約(=任意後見契約)を、公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。ご本人の判断能力が低下した後は、家庭裁判所によって選任された任意後見監督人の監督のもと、ご本人の意思にしたがって、任意後見人が適切な保護・支援を行うことになります。

さらに、最期まで自分らしい生活を送るために、任意後見契約と同時に作成するライフプランにおいて、生活の細部にわたる様々な事項まで指定をしたり、尊厳死宣言の公正証書を作成しておくこともできます。

ご自身が亡くなった後に、その遺志を実現するための遺言書も、もちろん大切ですが、ご自分の意思を大切にして生きて行くための任意後見契約についても、一度じっくり考えてみられませんか?

2016年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : sasakihiroko